カスタマーレビュー
おすすめ度:
身近な日常を重ねて思いをめぐった作品 
(2008-08-08)
ベトナム戦争について知りたければ、歴史書やフィクションを読めばよい。
しかし、この作品はただのフィクションに留まらない。
それは人を理解するうえで、違った価値観に裏づけされた歴史や文化を洞察すること。
また、ジャーナリストとしての著者の仕事のありようから、物事に対していかなる姿勢で取り組むかまでも教えられたからだ。
舞台はベトナム戦争だが、つづられる言葉の中に、現代にも起こりうる身近な日常を重ね合わせて様々な思いを巡らされる作品である。
目撃者 
(2008-05-27)
目撃した人だけが書くことが出来る権利と義務がある。 サイゴン陥落という30年ぐらい前の出来事がこの本を読むことでリアルに伝わってくる。 近藤 紘一氏が生きていた証をこの本で感じることが出来る。
近藤紘一の出発点 
(2007-05-22)
沢木耕太郎「一号線を北上せよ」を読み、そこで紹介されていたことから本書を知りました。仕事で何度もベトナムに出かけていたのですが、近藤紘一氏のことは知識がありませんでした。サイゴン陥落という歴史的事件を「目撃」した体験のみならず、ベトナム人への暖かい目差しから紡ぎ出される生き生きとした文章が素敵です。1986年、45歳で逝去されたとのことですが、まだ生きていてほしかった。今の経済発展を遂げつつあるインドシナの姿を彼はどう捉えるでしょうか。本書購読後、今販売されている氏の文庫本を皆購入しましたが、絶版も多く、残念です。機会があれば、「近藤紘一ブーム」を是非盛り上げたいものです!
「ベトナム戦争」の真実。 
(2007-04-22)
われわれは、今までベトナム戦争をフランスの植民地から引き継いだアメリカによる
極悪非道の戦争と位置づけてきた。御気楽「進歩的文化人」の「ベ平連」などに、無邪
気に賛意を示していたことが恥ずかしい。
ベトナム戦争は、経済的に開放された(ただし独裁はあったが)「南ベトナム」に、
中共、ソ連の後押しを受け、一見「南ベトナム」の「反乱軍」のように見られたベトミ
ン〜ベトコンの「人民開放」戦争と位置づけられた。
しかし、当時は、表に出なかったが、「共産主義」の最後の足掻きだった。
「南ベトナム」に入って、資本主義経済を知ったホーチミンが、今で言う「経済開放」
を唱えると、『統制経済』至上主義の中国が、侵略を開始する。
今、中共は、「開放政策」渡渉した資本主義の道を歩み、19世紀末期の資本主義
国会上の貧富の差を作り上げている。・・・・・南ベトナムが陥落しなければ歴史は
どうなっていたのであろうか?
サイゴン最後の二ヶ月 
(2006-07-20)
南ベトナムが消滅した1975年4月30日、その前後二ヶ月間サイゴンに滞在した著者である新聞記者が、その目線から得たものを本にしたノンフィクション。
あのサイゴンが世界中から注目をあびた、あの日、あの瞬間を、その場にいた人間の視線で書かれた貴重な作品だろう。
読みのもとしても一級、時間を忘れさせる本です。