メコン・黄金水道をゆく (集英社文庫 し 11-30) (集英社文庫 し 11-30)
椎名 誠集英社

グループ:Book/ランキング:66130
価格:¥ 580
発売日:2008-02-20/通常24時間以内に発送
カスタマーレビュー
おすすめ度:
厳しい暮らしの中にメコンから授かる豊かさを感じます。 
(2008-05-26)
今回のシーナさんの旅はワイワイドカドカと仲間で旅を楽しむというものではなく、ひたすらにアジアの大河、メコンの生きた足跡を追い続けるというものです。
こういった辺境を渡り歩く旅はシーナさんの持ち味が生かされています。
読んでいるうちに、自然が醸し出す壮大なパノラマと共に雄大なロマンの中に立っているように思えてきます。
漁をしている人、養殖をしている人、魚を加工処理している人、酒を醸造している人、物売りをしている人、子供たちの屈託ない笑顔と。
苛酷な環境の中で人々の暮らしは厳しいけれど、いずれも豊かなメコンの恵みを受けて暮らす人々を中心によく描写してあります。
そういったシーナさんが肌に感じたものに加えて、アジアンテイストに舌鼓を打ち、雄大な自然にぶつかって野趣あふれる旅が展開していきます。
メコンと共に時間に捕らわれないゆったりした人々の暮らしの中に豊穣の幸せを大いに感じました。
豊穣なる大河の旅 
(2008-03-27)
椎名さんの旅行記は何冊も読んでいるので、「ああ、いつもの椎名節だなぁ」というのが第一印象。
あくまで楽しく、さらりと読めて、人や自然の営みに対する愛情や驚きのようなものが掻き立てられる。良質な紀行エッセイだ。
さて、今回はメコン川流域、ラオス、カンボジア、ベトナム三カ国にまたがる大旅行。
10倍以上に膨張する湖、数千人が住む川中島、海と見まごうほど巨大な河口など、その自然のスケールの大きさには圧倒される。
だが、より印象的なのは、そんな大自然に翻弄されながらも、人々がそれをうまく利用し、たくましく生きている、ということ。
特に漁のために、川の中にぽつんと立てられた掘っ立て小屋で一年のほとんどを過ごす人の話はすごい。
流れが激しく、落ちたら助からない恐れもあるような場所で、脱出用の船もなく、一本の棒だけで支えられた小屋で過ごす人々。
ぜひ写真とともに一読いただきたいエピソードである。