燃える中南米―特派員報告 (岩波新書)
伊藤 千尋岩波書店

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価格:¥ 591
発売日:1988-05/只今品切れ中
カスタマーレビュー
おすすめ度:
ラテンアメリカの「失われた十年」を描く 
(2007-06-27)
1980年代のラテンアメリカ。人呼んで『失われた十年』を克明に描き出した良著。
解放の神学について多くのことが記述されており、マナグアの解放の神学が建てた革命教会の描写は圧倒的でこれを見るためだけにでもニカラグアに行きたいと思わせてくれた。 現代ラテンアメリカ史の概説としても非常に有用で、読んでいればこの地域の左翼ゲリラが庶民のシンパシーを得ている理由がわかると思う。
難点を言えば、サンディニスタやFMLNに好意的過ぎて中立を失っていることか。庶民感覚としては正しいが、ジャーナリストとしてはいただけない。けど良著。
これを読んだ後だと・・・・ 
(2007-01-22)
現在ベネズエラを中心に激しく巻き起こっているラテンアメリカ地域での反米・左派政権の伸長が当然のことだと認識できます。 公務員の給料を半年分を着服して逃亡する警察長官をはじめとして政治家=泥棒とまでに罵られる惨状、常にアメリカの影が付きまとう左派政権潰しの軍事クーデター、数値上は発展しても一向にマシにならない庶民のくらし等、当時の中南米の惨憺たる情景が庶民の視点で生々しく描かれています。
この書が書かれた当時はゲリラ組織としてしか見做されていなかったFMLNが現在野党第一党で大統領選挙でも健闘したり、一旦崩壊したサンディニスタ政権のオルテガ大統領が返り咲くなど、現在の状況を読み解く上でも大きなヒントになるでしょう。
80年代中南米の実像 
(2005-12-07)
八十年代後半に朝日新聞の中南米特派員だった伊藤千尋氏のルポルタージュ。同書が書かれていた頃の中南米は、ニカラグアのコントラや米国のエルサルバドルへの介入があるいっぽうで、ブラジルやアルゼンチンのように軍政がおわり、新たな民主主義にあゆみをすすめる国があり、他方でチリのように72年の軍事クーデターの苦しみをそのままひきずっている国ありと、実にモザイク状の情勢だった。そういう国々の民衆に分け入って、対話をかさねながらこういうルポが出来る新聞社の特派員って、最近はいるのだろうかとおもってしまう。ワシントンにいて政治家や圧力団体の話を聞くのが得意な記者ばっかりふえてるんじゃないかって、朝日新聞を読んでいておもってしまうのだ。今中南米は革新政権がいくつか誕生し、反グローバリズム運動の震源地として歴史の表舞台に躍り出てきている。そのいまを見つめるためにも、あらためて八十年代中南米の実像を振り返るのは大切である。本書はそれに最適だろう。